2009年05月15日

新「要介護認定」で混迷する現場の実態は?

◆新「要介護認定」で混迷する現場の実態は?--関係者が意見交換会を開催

 介護や支援が必要な人が、介護保険によるサービスを受ける際に必要となる介護の必要度を表す「要介護認定」。その判定基準がこの4月に改定された。新制度が始まり、混乱に窮する現場の声が日に日に高まる中で、8日、福祉関係の市民団体である市民福祉情報オフィス・ハスカップによるセミナー「要介護認定はどう変わったのか?」が開催された。

 「要介護認定」の判断は、訪問調査による聞き取り調査をもとにコンピュータによる一次判定を経て、主治医の意見書をもとにして最終的には「介護認定審査会」と呼ばれる二次判定の場で決定される。この流れは2009年度以降も原則変わらないが、調査項目が82項目から74項目に削減された他、訪問調査員の判断基準やコンピュータの判定基準が大きく変わったという。こうした変更の結果、調査員からは「以前より要介護度が軽度に判定されるのではないか?」という疑念の声が相次ぎ、厚生労働省が介護保険費用の抑制のために意図的に認定基準を厳しくしたのではないかという批判がささやかれるようになったのが昨今の現状である。

 今回開かれたセミナーには、こうした要介護認定基準の改定の流れを見守る、淑徳大学准教授の結城康博氏が出席。厚生労働省の「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」の委員を務めるだけでなく、自らケアマネジャーとして現場に携わった経験を持つ立場から、要介護認定の課題を語り、参加者と意見交換を行った。

 新制度について、結城氏は「一次判定だけだと軽度に判定されるのではないかという疑念はある。しかし、データが出ていない現段階では何とも言えない」と述べ、評価には慎重姿勢だ。また、新制度の移行にあたり、要介護認定の更新の前後で認定結果が異なる場合、希望すれば更新前の認定区分が選択できる「経過措置」については「経過措置が設けられている制度自体にそもそも疑問が残る」と糾弾。また、実際にセミナーに参加した現場担当者からも「経過措置によって現場の調査員のモチベーションは著しく低下させられている」と不満の声も挙がった。

 要介護認定の調査では、"買い物"、"簡単な調理"といった日常生活の自立度や行動が「要 / 不要」「ある / なし」といったチェック形式の問診のほか、「特記事項」の記載が行われる。新システムの評価については明言を避けた結城氏だが「特記事項の記載は徹底してほしい。そうでなければ一次判定で軽度に判定されてしまった場合に、二次で覆すことができなくなる」と呼びかけた。しかし、調査員や審査委員として要介護認定に携わる参加者からは「特記事項の書き方について指導の場が設けられていない」、「特記事項がたくさん書いてあったとしても審査会の場でそれをどう読んでいいのかわからない。書けばいいというわけではない」といった反論の声も聞かれ、制度そのものが現場の実態と離れて運用されていることが改めて浮き彫りとなった。

 仮に、現在のシステムに欠陥があることが今後立証されてしまった場合の対処法について結城氏は「システムの変更には10万人あたり最大でも 5,000万円は必要になる。コンピュータのコストに加え、人的コストなど社会的コストを考えると、損害は計り知れない。仮にシステムを凍結しても現場は混乱するばかり。本当は失敗してはならないのだが、システムが公正でないという結論となった場合でも、運用面でカバーすることが得策だ」とし、コストを意識した議論の必要性を強調した。
マイコミジャーナル2009/5/11記事より抜粋)
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2009年05月14日

介護職47%が医療行為

◆介護職47%が医療行為/八戸大准教授調査

 八戸大の篠ア良勝准教授(介護労働学)が全国の介護従事者を対象に行った調査で、介護士やホームヘルパーなどには認められていない医療行為を経験したことのある人が47.3%に上ることが13日までに分かった。介護従事者の人手不足が深刻化する中、現場では事故の不安を抱えながら医療行為をやらざるを得ない実態が浮かぶ。
 
 厚生労働省の二〇〇五年七月の通知によると、介護従事者が行ってもよい医療行為は、体温や血圧の測定、軽微な傷口の手当て、軟こうの塗布など計十六項目。一方、インスリン注射やたんの吸引、床ずれ部のガーゼ交換などは、専門的な医療知識が必要となるため認められていない。
 介護従事者による医療行為の実態を調査するため、〇七年六―九月、青森県など全国十三都道県の介護従事者五百人を対象にアンケートを実施。ホームヘルパー百六十三人、施設職員七十四人の計二百三十七人から回答を得た。回答率は47・4%。
 それによると、約半数に当たる百十三人が「医療行為を経験したことがある」と回答。
 ホームヘルパーが経験した医療行為で最も多かったのが「床ずれ部のガーゼ交換」の27・6%。「たんを出す手助け」が7・4%で続いた。
 施設職員では「たん吸引の処置」が29・7%と最多で、「便のかき出し」が27%だった。
 医療行為を行う理由として、ホームヘルパーは「利用者からの依頼」(18・3%)「家族からの依頼」(16・9%)が目立った。施設職員は「看護師からの指示」(40・6%)が際立って多かった。
 介護従事者による医療行為は、人手不足などを背景にやむを得ないとの声がある一方、現場では「正式な研修を受けていないので不安」「責任の所在があいまいで怖い」との声も少なくないという。
 篠ア准教授は「介護従事者は業務は増えても報酬は増えず、医療事故に対する責任だけがのしかかっている」と指摘する。
デーリー東北2009/5/14記事より抜粋)

 事故が起きていないから大丈夫、簡単な行為だから大丈夫、というわけには行かないのではないでしょうか。改善に向けて動くべ箇所だと思われます。
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2009年05月13日

求人1件に100人殺到も

◆ハローワーク横浜 求人1件に100人殺到も…介護は人手不足、市悲鳴

 厳しい雇用情勢の中、横浜市中区のハローワーク横浜に多くの求職者が詰め掛けている。一方で同市内で老人ホーム新設が相次ぐなど、新たな雇用が必要な介護業界には人手が集まっていない。市の担当者は「このままでは建物が完成しても人手不足でオープンできない施設もでてくる」と危機感をあらわにしている。 

 ハローワーク横浜が混雑のピークを迎える午後二−三時。相談待ちが百人以上、待ち時間が二時間を超えることもある。疲れた表情の求職者が階段にまであふれ、百三十五台ある検索用パソコンには一回三十分の利用制限があるが、席が空くことはまれだ。

 年度末の解雇が多く例年、求職者が増える四月。今年は新規求職者が前年同期比45%増の六千七百八十七人に達した。だが、実際に就職が決まったのは同6%増の八百九件にすぎない。

 一方、四月の求人申込件数は二千六百六十八件で同35%減。新規求職者の多くは、事務職や製造業の経験者だが、いずれも求人は少なく、一件の求人に百人以上が応募することも珍しくない。

 ところが、介護業の求人倍率は、正規雇用で六・二五倍。非正規雇用で九・四倍。ただ、ハローワーク横浜の青木和夫・職業相談部長は「介護職特有の仕事内容やローテーション勤務などが敬遠され、心理的なハードルも高く、製造業や事務職から介護職への雇用の転換が進んでいない」と指摘。建設会社に勤めていた同市金沢区の男性(42)も「介護職を勧められたが、やはり経験のある製造業や建設業の仕事を探している」と話す。

 給与などの待遇面から、離職率の高さも恒常的な人手不足の背景だ。青木部長は「十人就職しても一年後の定着は三人ぐらいではないか。肉体的精神的に楽な職場ではなく、介護職に適性がない人は長続きしない」。

 さらに、同市特有の事情が人手不足に拍車をかける。市は、要介護度の高い人が一年以内に特別養護老人ホームに入所できるよう整備を進めている。本年度は特に新規オープンが集中。十四施設千六百八十七床が増加する。国の基準では利用者三人に対し職員一人の割合が義務づけられており、増加分だけで五百人以上の新規雇用が必要だ。

 市ではホームヘルパー二級の資格を取得し、市内の福祉施設に就職した人を対象に、受講料の半額(上限四万円)を助成する制度を開始。また、無料で介護福祉士の資格を取れる職業訓練コースの新設など国の就職支援策も相次いでいる。

 しかし、市の担当者は「当面は施設間で人材を奪い合う状況が続く」とみている。
東京新聞2009/5/13記事より抜粋)

 「当面は施設間で人材を奪い合う状況が続く」とありますが、奪い合うほど集まれば良いのでしょうが・・・。
posted by fukusistaff at 21:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする